
創設の経緯と現況
オーガニック・テキスタイルの世界基準。2002年ドイツ・ディッセルドルフのインターコットのワークショップで、当時たくさんあった基準を統一して、共通の基準と認証で国際的なオーガニック綿製品取引をスムースにするため、GOTSの策定が決議され、IWG(国際作業部会)が組織された。ドイツIVN、イギリスSoil Association、アメリカOTA、日本JOCAがIWGのメンバーとなり、version 1.0は2005年、version 2.0は2008年に発表された。
この基準を使っての認証は2005年から、使用を許可された認証機関によって開始され、2008年にはGOTSのロゴマークが導入された。GOTSの構成はオーナー会議であり最高意思決定機関のIWG、基準の改定や技術的な問題を扱うTC(テクニカル・コミティー)、Certifier Council(認証機関諮問会議)、法人格としてのGlobal Standard GmbHからなる。
2009年末現在、2,811の認証工場(2008年末1,977)、50カ国以上。うちインドは966、トルコは471、中国は249の工場施設が認証された。日本は2009年末で10社が認証を受けている。
GOTSの認証機関は13社、うち日本に事務所のあるのはControl Union JapanとEcocert-QAI Japanの2社。
GOTS基準の特長
オーガニック・テキスタイルについて、原料の収穫から最終製品までの製造加工工程に明確な要件(Criteria)を設定し、トレーサビリティの確保、ケミカルの使用について禁止と制限の規定、社会的規範などを含む総合的な基準。
OE(Organic Exchange)の基準がもう一つの国際的な基準としてあるが、製造加工とケミカルの規定がなく、トレーサビリティの確保だけに絞られている。オーガニック繊維の%もOEブレンドの基準は低い。従って使いやすく、オーガニック・コットン製品の普及には役立っている。オーガニック繊維製品の国際取引がGOTSの認証で共通化できる。
繊維生産ではISOに規定される国または地域の有機農法基準に従って認証された原料に限る。イン・コンバージョンもその国の有機農法基準に定めがあれば認める。
ラベル・グレードとしてオーガニック繊維95%以上の「Organic」と70%以上の「Made with Organic」を持ち、上記のCertified Organicを用いる。
基準本体とその使用マニュアル、ラベルの使用ガイド、認証機関のための要件の4種類のドキュメントがIWGからリリース。
認証機関の認証範囲
▶ 機械的な加工と製造、その製品
▶ 湿潤加工と仕上げ加工、その製品
▶ 貿易取引とその製品
▶ ケミカル・インプットのポジティブリストの作成とケミカルサプライヤーへのリリース
規定の主なもの
▶ 分離と識別、汚染と混合の防止
▶ 使用するケミカル(化学物質と配合剤、例えば染料や助剤など)はGOTSの毒性と生分解性などの基本要件を満たすもの。
▶ 禁止物質は毒性のある重金属、ホルムアルデヒド、芳香族溶剤、遺伝子組換え生物とその酵素など。
▶ 合成糊と油剤には制限がある。
▶ 漂白は酸素系のみ、塩素系は禁止。
▶ 発がん性のあるアゾ染料は禁止。
▶ 芳香族有機溶剤を使う抜染、フタレートやPVCを使うプラスティゾールプリントは禁止。
▶ 付属物にも制限がある。
▶ 破棄物や廃水などの環境方針を事業者に持たせる。
▶ 湿潤加工ではケミカル使用、エネルギーや水の使用、廃水処理、スラッジの処分の記録を付けること、廃水処理施設を
持つことを義務付け。
▶ パッケージにはPVCを含まないこと。
▶ 洗濯堅牢度などの技術的要件をクリアすること。
▶ 原料、中間製品、最終製品、付属物の残留物の限界値が定められている。
▶ 社会的な規範の最低要件が定められている。
認証の仕組み
GOTSの認証は、この基準に従って製品を製造加工する、あるいは輸出入する事業者が、GOTSの認証機関に申し出て、年1回の現場検査を受け、残留物試験を通ると与えられる。
認証の範囲は業務認証(メカニカルな製造、湿潤加工を含む、貿易だけの区分がある)と、製品認証とで構成される。小規模でラベルの張り替えをしない輸入業者は適用外。
小規模事業者(例えば産地の同業者や小規模事業者で構成するサプライチェーン)用のGOTSの特例を作成中。
GOTS version 3.0の改定作業
2010年2月のニュールンベルグのIWGとTCの会議で、Version 3.0を12月までに策定するため、現在の2.0の改定作業を開始。前回の2005年の改定作業と比較して、大きく異なるのは利害関係者からの意見を広く聞き取り、改定作業に反映させること。15の団体に向け、第1草案を送り、意見を求めた。
IWGと認証機関、上記団体を含め、15団体182人からの意見が集まった。IFOAMやRite Groupなど外部の意見で参考になるものがあった。改定プロセスをオープンにするのは、作業は大変だが意義のあること。
改定作業のスケジュールも第2草案を11月初め、再度の外部意見聴取をして、12月末に最終草案を策定、2011年2月のIWGの決定で発表と決めた。
GOTS国際作業グループ
GOTS IWG (Global Organic Textile Standard, International working group)
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